あの子の優しいタイミング
たくさんたくさん考えているうちに,
もしかしたら,あの子は,私が辛い選択をしないように
ベストのタイミングでお空に帰っていったんじゃないかなあと
考えるようになった.
あのタイミングだったから,
羊水穿刺を受けることも,
妊娠を継続するかしないかの選択をすることもなかった.
18トリソミーが分かってから妊娠を継続するということは,
子どもが妊娠中に亡くなってしまう,
生まれてすぐ亡くなってしまう,
という現実がすぐそこにあるということ.
未来のための妊娠じゃなくて,
死にむかって進む妊娠.
そういう毎日を送ること.
それに私は前置胎盤気味だったから,大出血の恐怖もある.
だからといって妊娠を継続しない選択をすぐに選べるか
といったらそうじゃない.
生きている我が子を私の決断で命を奪うことは,
やっぱり,難しい.
もしその選択をしたら,
私は一生その決断を悔やんで生きていったと思う.
だから,あの子のタイミングは私につらい選択をさせない,
あの子の優しいタイミングだったのかなあと思っている.
妊娠期間はとても幸せだったから,
幸せをくれようとやってきた子なんだと思っている.