激痛のラミナリア 1回目
呼ばれて処置室に入った.
ラミナリアのような(おじいちゃん先生は,ラミナリアは海藻から出来ているけれど,最近は人工で同じようなものを作っていてそれを使うんだよみたいなことを言っていたけれどそのラミナリア人工版の名前を忘れた)なんとかっていうやつを入れたらしいけれど,忘れたんでラミナリアでいいかな
処置室の台に,たくさんの器具が置かれていて,それを見ただけでこわくなった.
痛いんだろうなって思っていたけれど,想像以上の痛みだった.
普通の分娩は,徐々に子宮口が開いていく.
それを人工的に行なうために,ラミナリアというタンポンみたいなものを入れ,それが時間を掛けて膨らんでいく,その本数を増やして子宮口を広げる
そんな処置.
最初は消毒とかそういう処置だったかな,痛くないけれど,良くもない.
普通の検診の時のゾゾっていう感じ.
先生は優しく「消毒するねー」とか,「ちょっとひっぱるよー」とか,
何をしてくれるか言ってくれる.
ひっぱるよーのあたりから,
痛い・・・!痛い!!!!!激痛!
え,こんなに痛いの!?
思わず「痛い!」「ったい!」声を出さずにはいられない.
先生は「ごめんね,ごめんね」っていいながらも,これでもかというくらいグリグリしてくる.
いや,もうやめて,痛い,ほんとに痛い!
どう痛いのかと言われると,どうにもどこがどうなっているのか,膣の中,子宮の方だからここの部分がこう痛くて,とかは全然わからない
でも,行けるはずのない場所にむりやり,そうとうむりやりつっこんでる!!!
そこ,違いますよ!間違っている!痛いじゃん,だってすごい痛いじゃん!
っていう感じの痛み.
思いっきり叩かれる,とかそういうんじゃなくて,奥の方がぐわーーーーーーーーっと痛い
地獄の底からの痛み
みたいな
何言っているんだろう,私,表現できない・・・
どんどん過呼吸気味になっていく・・・
痛いのにこれ以上痛くなるのかもしれないっていう恐怖があった.
看護師さんが手を握ってくれた.
看護師さんの手が壊れるんじゃないかってくらい思いっきり握っていたと思う.
そして,先生が,「はいてー,はいてー」って声を掛けてくれて,
看護師さんが手を握りながら,「はあーーーーーーーーーー,はあーーーーーー」って一緒に呼吸してくれて,
私は,「はあーーーーー,いたい!!!!はあーーーー,ああああたたた!!!はああ」
みたいな・・・
で,先生や看護師さんが「じょうずー!!じょうずー!!!」
って言ってくれた.
その言葉は,真っ暗闇に,一筋の光,だった.
「じょうず!」がこんなに心の支えになろうとは...
これを繰り返した.
これ,永遠かなって思った
汚い言葉で言えば,
クッソ痛い
くっそ痛いんです
ほんとに痛い
痛い.
しつこいけれど本当に痛い.
ああ,もう無理
って思っても終わらない
脂汗,手汗,足の裏汗,変な汗たくさんかいた
そうしているうちに,
「ハイ!終わりです,ごめんね,頑張ったね!」
終わった
うっすら涙が出ていた
痛さの涙だった.自分でもびっくり.この歳で・・・
パンツがすぐに履けなくて,看護師さんに手伝ってもらった.
すぐに横のベッドに横になって休んだ.
その間にいろいろ計測されて,そして痛み止めの座薬を入れてもらった.
歩けるようになってから,ゆっくり部屋に戻った.
途中,産まれたばかりの赤ちゃんとお母さんとすれ違った.
とても惨めだった.
そしてまた泣いた.