神様,お願いします.
火葬の日の当日,私たちは神社へ向かった.
車で1時間もしないところにこのあたりでは大きな神社があって,
この地で生まれたからには見せてあげたかったのだ.
この日は来たばっかりの新車で向かった.
夫は,「本当にタイミングのいい子だな〜」と言っていた.
ほんとにそう.前の車と新車に乗れる日なんか昨日と今日しかないんだから.
狙ったんだろうか.まさかね.
この日も変な天気で,強風,雨,時々ひょうまで降っていた.
40分ほどで到着し,参拝をした.
この子が,お空に還れますように.
迷わずに行けますように.
この子の幸せを願って,しっかりしっかり神様にお願いした.
帰り際,絵馬が目に入った.
そうだ,絵馬でもお願いしよう.
そう思って,絵馬にも書いた.
普段だったら,絵馬は書かないんだけれど,
書こうかなと思ったらすぐに書かないと.
もうこの子のために出来ることは,今日しかないから.
お願いごとの最後に,
お父さん,お母さんより
と書いた.
お父さん,お母さん.
この時,自分をそう呼びたかった.
私たちは,この子のお父さんとお母さんだから.
例え,死んでいても愛しい気持ちは変わりないから.
はあ.