喪服に着替えて,出発
エンジェルボックスをきれいにした後,喪服に着替えた.
パールのネックレスも付けた.
結婚する時に親がプレゼントしてくれたものだ.
冠婚葬祭に着けられるから,結婚したら持っておくものだって言っていた.
今まで,結婚式に出席するときにしか着けたことはなかったんだけどなあ.
このネックレスとは,これから喜びの日も悲しみの日も一緒なんだろうな.
私も夫も着替えを終えた.
喪服を着て,ちゃんとしなくちゃ,しっかり送らなきゃっていう気持ちになれた.
まだ出発までに時間があったので,
障子を開けて,この子に空を見せた.
そしたら,雨が降っていたのに,だんだんと光が射して,晴れ間が出てきた.
この子が晴れにしたのかな??なんて夫と話した.
それから,頭をガーゼの上からそっと撫でてみたり,話しかけたりした.
火葬場ではもうできないから,最後にかわいがってあげたくてね.
そうしているうちに出発する時間になり,
コートを羽織ったり,持ち物の確認をしたりした.
外に出たら,晴れ間はなくなっていて,,どしゃぶりになっていた.