火葬 拾骨室

2018年2月6日死産の記録

拾骨室は火葬した部屋とは違って,

ベッドみたいな台と,その回りを囲めるくらいの広さしかなかった.

ベッドのそばに行くと,まだその周辺は熱かった.

砂みたいな灰が広がっているイメージをしていたけれど,全然違った.

本が焼けたあと,が分かったし,

大きい塊になっている灰,細かい灰,

たくさんあるところと,あまりないところとがあって,

割と焼けたあとのそのままの状態だったんだと思う.

あの子の骨はあるんだろうか,

と食い入るように見た.

わからない....

すると,担当の方が,

「こちらです」

と指してくれた手の先に,

ほんの1センチくらいの針みたいな骨が2つ並んでいた.

ああ,こんなに小さくなったんだと思った.

でも,少しでも残ってくれていて,嬉しかった.

箸で拾おうとしたけれど,

拾えないくらい小さくて細いので,

ほうきとちりとりみたいな道具で拾って,骨壷に入れた.

他にはないかなと探したけれど,難しい.

エンゼルボックスも紙で,

折り紙や手紙など中に入れたものも紙だったので,

灰が全体的に白っぽいんだと思う.

「これですか?」と聞いても,

「それは違いますね」

というのをくり返したあと,

「これです」

と言われたのが,2ミリ四方くらいの薄い白いものだった.

本当に小さい.

その骨もすくって骨壷に入れた.

他にもないか探したけれど,もうなかった.

くまなく探したけれど,もう無くて,

3つの骨と,少し灰も入れて,骨壷に蓋をした.

1番小さな骨壷を用意したのに,

ほんの少しだけしか入らなかった.

骨は3つだけか,っていう思いと,

少しでも残って良かったなとという思いが入り交ざった変な気持ちがした.

担当の方にお礼を言って,

拾骨室を出た.

帰り道で夫が,「多分,拾骨室に呼ぶ前に探していてくれたんだろうな」と言った.

確かに担当さんは私たちが探すのを一歩離れて見ていただけだから,その前に探していて,

灰の中には骨が3つしかないことを知っていたんだろう.

担当さんが,

私たちが自分たちでその骨を見つけるのを待っていてくれたこと,

私たちが,骨はもう無いと思うまで付き合ってくれたこと.

私たちにはとてもありがたかった.

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Posted by poyogami